No.92 (近世ヨーロッパ文化A) : 

ホッブズとロックの違いとは何か?」

『リヴァイアサン』の著者ホッブズは、自然状態を「万人の万人に対する闘い」
と捉え、社会契約説に基づき国家主権の絶対性を主張した。一方『市民政府二
論』の著者ロックは、不法な統治への反抗の権利(革命権)を擁護して、同じ
社会契約説に基づきながら国民主権を保障することを示した。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:
古代中国に唱えられた性悪説(荀子)と性善説(孟子)という人間観の相違が、
近世ヨーロッパの社会契約説の二大思想家であるホッブズとロックにも見られ
る点に、大きな関心を持ちながら学習に臨んでいる。


思考・判断:

近代市民社会の成立に大きな役割を果たした、社会契約説の思想家であるホッブ
ズとロックを比較することにより、それらの共通点や相違点を明らかにしながら、
両者の歴史的な意義について考察している。

資料活用の技能・表現:
ホッブズの『リヴァイアサン』と、ロックの『市民政府二論』からの抜粋を読み
比べることによって、両者の共通点や相違点を明らかにしている。


知識・理解:
ホッブズと王政復古、ロックと名誉革命の関係を理解しながら、両者の社会契約
説の共通点や相違点について、基本的な知識を身につけている。